保険診療と自費診療の違いについて
保険適用の治療法と材料は20年以上前のもの?!
日本の健康保険制度は諸外国と比べても非常に優れているといわれています。そのため、多くの来院者の方が歯科医療に関しても保険の適用範囲内で最善の治療ができると考えていらっしゃいます。
実際には、内科や外科といった「医科」と、「歯科」では少し事情が異なります。医科の方では、最先端のカテーテル治療といった百万円かかるような治療でも保険が適用されていますが、歯科の方では保険が適用される治療内容は全体のごく一部であり、20年から40年前の治療法と材料しか認められていません。国の医療保険財政が破たん寸前に陥っていることや、歯科医療は、あとから健康保険の枠組みに組み込まれたといった歴史的経緯によって、歯科医療の場合、最新の治療が認められていないのです。
ただし、私は、決して保険の治療が悪いもので、保険適用範囲外の自費治療が良いものであるというつもりはありません。自己責任が問われる時代です。歯科医師として、自費診療も含めたすべての情報を来院者の方に提供した上で、来院者の方が、納得感をもって、自分自身の治療方法を選択してほしいという思いがあります。そのうえで、来院者の方が選択された治療方法に最善を尽くすのが歯科医師としての使命であると考えています。